曹操暗殺 三国志外伝(銅雀台/The Assassins)
story
10年前、まだ幼いボクジュンとレイショは騎馬隊にさらわれ、陵墓を利用した牢獄で多くの子どもたちと共に刺客として訓練される。二人は互いへの思いを秘めたまま成長し、命がけの競争の中で生き延びてきた。
建安24年の冬、魏を治める曹操(チョウ・ユンファ)は、劉備、関羽らを撃破り、城である銅雀台に帰って来た。関羽を高く評価していた曹操は、亡骸を礼をもって葬った。一方、宮中には曹操を快く思わない者たちがいた。実権を握られた後漢の献帝(アレック・スー)は彼の専断政治に憤り、息子の曹丕(テリー・チウ)は権力の座を狙っていた。
ついにレイショ(リウ・イーフェイ)とボクジュン(玉木宏)に密命がくだる。レイショはその美貌から曹操の侍女となり、ボクジュンは宦官となって宮中へ送られた。自由を得るために、二人は使命を全うしなければならない。
しかし、孤独と共に生きてきた曹操と接し、彼の気持ちを知ったレイショは心が揺れ動いていた。そして、ボクジュンへの思いを強めていく。一方、宦官となってしまったボクジュンは、レイショの女としての幸せを曹操に託そうと思い始めるのだが…。
●アジコのおすすめポイント:
『レッドクリフ』でチャン・フォンイーが演じた曹操も、悪役ながら魅力的なキャラでしたが、もともと日本の三国志ファンには曹操の人気が高く、彼が主人公の漫画(「蒼天航路」)もあるほど。そんな曹操を、あらたな解釈で演じているのが本作のチョウ・ユンファです。ここで描かれるのは晩年の苦悩する曹操。実際に暗殺計画もあったようです。愛する女の愛を得られなかった曹操に、愛の尊さを見せつける刺客カップルを演じるのがリウ・イーフェイと玉木宏。玉木宏は吹替ですが、難しい役柄を違和感なく見事に演じています。これが監督デビュー作というチャオ・リンシャン、贅沢なスタッフを得て墨絵のような世界を作りあげています。
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